2026/08/09 20:51
◼️ようこうそ ひこまろシティ
第1話「いろいろヤバい喫茶店」

新築だけど、昭和の香り漂うレトロな喫茶店、「喫茶ヒコマロ」。
先月オープンしたと聞きつけ、市長ひこまろが早速やってきた。
店員「いらっしゃいませー。あ! あなたはひこまろ市長ではありませんか?!」
ひこまろ「そうですなのだ」
店員「ようこそお越しくださいました! 私はこの喫茶店のマスターのオーナーです」
ひこまろ「マスターのオーナー? どういうこと?」
店員「あ、私の本名は、大 那亜(おお なあ)なので、みんなに『オーナー』と呼ばれているんです」
ひこまろ「店主になるために生まれてきたみたいな名前だけど、ややこしいのだ」

✳︎

席に案内され、メニューを見るひこまろ。
ひこまろ「この新発売のレインボークリームソーダ、気になるのだ。
パープル……茄子味。
ブルー……ブルーベリー味。
グリーン……アボカド味。
イエロー……とうもろこし味。
オレンジ……マンゴー味。
レッド……すいか味……。
斬新すぎて、味が全然想像できないのだ!
……でも、だからこそ注文してみたくなるのだ。
なかなか面白いことを考えるオーナーのマスターなのだ。あ、間違えた。マスターのオーナーか。
……あれ? どっちだっけ?」
店員「あ、はい。私はマスターのオーナーです。ちなみに、隣のマンションのオーナーは増田(ますだ)さんなので……」
ひこまろ「まさか……オーナーのマスター?」
店員「『オーナーのマスダー』と呼ばれています」
ひこまろ「ややこしいのだ!」
店員「ややこしいですよね!そういう私もややこしかった!あはははは!
あ、ご注文お決まりでしたか?」
ひこまろ「頭が混乱して、何注文するんだったか忘れたのだ。……えっと、あ! レインボークリームソーダで」

✳︎
店員「お待たせいたしました。レインボークリームソーダです」
ひこまろ「いただきまーす。ぱく。
……あれ?
なんだこれ? 普通に美味しいのだ!
もっと奇抜な味を想像してたけど……不思議なのだ」
店員「予想以上に美味しくて驚きましたか?」
ひこまろ「うん。茄子とかアボカドとか、絶対クリームソーダには合わないと思ってたのだ」
店員「もちろん、そのまま混ぜているわけじゃないですよ。それぞれの素材の良さを活かして、美味しくなるよう工夫しているんです」
ひこまろ「なるほどなのだ」
店員「みんなイメージで『これとこれは合わない』って、最初から決めつけてしまうことがあるでしょう?
でも、素材って活かし方次第で、思いもしなかった可能性が生まれると思うんです。
可能性は無限大の方が、なんか楽しいじゃないですか。
だから当店は、美味しいだけでも、素敵なだけでもなく――
『常識にとらわれない、夢と希望と可能性にあふれたヤバい喫茶店』を目指しています!」
ひこまろ「活かし方次第か……。
『合わない』とか『できない』って思ってたことも、本当はそんなことないのかもしれないのだ。
そう考えると、なんだかワクワクしてきたのだ!
よし! これ食べたら家帰って、流行りそうな大根スイーツ開発しちゃおっかなー!」

