2026/08/09 13:23

◼️ようこそ ひこまろシティ◼️

第1話 いろいろヤバい喫茶店






新築だけど、昭和の香り漂うレトロな喫茶店
「喫茶ヒコマロ」。

先月オープンしたと聞きつけ、市長ひこまろが早速やってきた。

店員「いらっしゃいませー。あ! あなたはひこまろ市長ではありませんか?!」

ひこまろ「そうですなのだ」

店員「ようこそお越しくださいました! 私はこの喫茶店のマスターのオーナーです」

ひこまろ「マスターのオーナー? どういうこと?」

店員「あ、私の本名は、大 那亜(おお なあ)なので、みんなに『オーナー』と呼ばれているんです」

ひこまろ「店主になるために生まれてきたみたいな名前だけど、ややこしいのだ」



✳︎


席に案内され、メニューを見るひこまろ。

ひこまろ「この新発売のレインボークリームソーダ、気になるのだ。

パープル……茄子味。
ブルー……ブルーベリー味。
グリーン……アボカド味。
イエロー……とうもろこし味。
オレンジ……マンゴー味。
レッド……すいか味……。

斬新すぎて、味が全然想像できないのだ!

……でも、だからこそ注文してみたくなるのだ。

なかなか面白いことを考えるオーナーのマスターなのだ。あ、間違えた。マスターのオーナーか。

……あれ? どっちだっけ?」

店員「あ、はい。私はマスターのオーナーです。ちなみに、隣のマンションのオーナーは増田(ますだ)さんなので……」

ひこまろ「まさか……オーナーのマスター?」

店員「『オーナーのマスダー』と呼ばれています」

ひこまろ「ややこしいのだ!」

店員「あはは! そういう私も紛らわしかった! あ、ご注文お決まりでしたか?」

ひこまろ「頭が混乱して、何注文するんだったか忘れたのだ。……えっと、あ! レインボークリームソーダで」



✳︎


店員「お待たせいたしました。レインボークリームソーダです」

ひこまろ「いただきまーす。

……あれ?

なんだこれ? 普通に美味しいのだ!

もっと奇抜な味を想像してたけど……不思議なのだ」

店員「予想以上に美味しくて驚きましたか?」

ひこまろ「うん。茄子とかアボカドとか、絶対クリームソーダには合わないと思ってたのだ」

店員「もちろん、そのまま混ぜているわけじゃないですよ。それぞれの素材の良さを活かして、美味しくなるよう工夫しているんです」

ひこまろ「なるほどなのだ」

店員「みんなイメージで『これとこれは合わない』って、最初から決めつけてしまうことがあるでしょう?

でも、素材って活かし方次第で、思いもしなかった可能性が生まれると思うんです。

可能性は無限大の方が、なんか楽しいじゃないですか。

だから当店は、美味しいだけでも、素敵なだけでもなく――

『常識にとらわれない、夢と希望と可能性にあふれたヤバい喫茶店』

を目指しています!」

ひこまろ「活かし方次第か……。

『合わない』とか『できない』って思ってたことも、本当はそんなことないのかもしれないのだ。

そう考えると、なんだかワクワクしてきたのだ!

よし! これ食べたら家帰って、流行りそうな大根スイーツ開発しちゃおっかなー!」